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国際会議と論文(メモ)

国際会議といえば、ここ5年ほどプロジェクトマネジメント学会が主催するProMACで発表をしてきました。ProMACは査読もあるのですが、これがProceedings XXXXにはなりますが、Ciniiなどに公開されているわけがないので、折角苦労して書くのに、もっとインパクトがあればと思いながら、いろいろな先生と対話しながらどうすべきか考えました。 Elsevier 、 Springer 、 Wiley-Blackwell 、 Taylor & Francis 、 SAGE や Emerald などが学術系ジャーナルがありますが、これらと国際会議をくっつけて考える必要があります。これから先、論文として投稿をこれから考えています。ちょうど論文を書きながら調べてわかったことをここに記します。 Elsevierを例にとれば、この会社は ScienceDirect というインターネットでサイトを持っています。ここにはElsevierが発行している様々なジャンルのジャーナルを見ることができます。ただし、一般的には有料になります。1部20ドルか30ドルとかなりの高額になります。ただし、大学などの機関が会員になっている場合はPDFファイルで経費も書けずダウンロードが可能になります。 この出版社と紐づいた形で様々な国際会議が開催されます。国際会議には基本的には要旨もしくはアウトラインを提出、審査して認められばフルペーパー(論文)を書き、それを提出することになります。例えば ICCER2019 という国際会議ではポルトガルで今年7月22日から25日まで開催されましたが、要旨を5ヶ月前に提出し、フルペーパーを3ヶ月前に提出するようになっています。これらの会議で発表したフルペーパーは、ElsevierはProcediaという名前のつくジャーナルに掲載されます。ICCER2019の場合は Energy Procedia というジャーナルに掲載されます。会議で書いたフルペーパーをProceedingsとか言いますが、これを論文とみなすこともできるようですし、みなすことができないようでもありケースバイケースという印象です。目指すなら、Elsevierでということになるのではないかと思います。 私が4月にマレーシアで発表した のは Inderscience というスイスの出

レゴを使った授業に関する考察

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レゴを使ってプロジェクトマネジメントの授業を何度かやっていますが、今回データを取ったこともあり、少しいつもより時間をかけて考えたので振り返りします。研究メモとは言えないけれど、これからもっと深掘りしたいことについて、今回少し頭の整理します。。 授業では2つのアプローチでレゴを使って制作してもらいました。1番目の方法は、最初から役割決め、目標を考えた後、計画を作って実際に制作してもらう方法です。2番目の方法は、目的を明確にせず、計画も作成しない方法で作成してもらう方法です。これはインプロ(即興劇)を見て、それをレゴブロックに応用しました。 レゴブロックの良さは、専門的な知識が必要ない。自由度が低いものから高いものまで制作できる。授業の1コマの中でも十分にできることかなと思っています。 2つの方法でレゴを使って作品を制作してもらい、そのあとにどちらがやり易かったのか、面白かったのか聞くと7〜8割方は最初の方がやり易いとか良かったと回答していました。少数ながら、後者の方が良かったと回答しています。 計画を作らないと気持ちが悪いというコメントがある一方で、計画しない方が何ができるかわからないけれどおもしろさがあるとコメントした学生がいました。その学生は品質面にもコメントしていて、よく考察していると感心しました。つまり、品質面では計画をしている方が目的などを明確にせず、計画を作らず制作するよりも品質は低い。確かに、即興劇と台本がある演劇の品質を考えると一般的にはそうかもしれません。                履修生から提供してもらった後者で作った作品 即興でレゴ制作をする時に、学生を観察している次の4点に気づきました (1)計画がなくても何らかのものを作ることは可能である。 (2)ある程度のものができれば、目指すものがだいたい同じようなものになることがある。(いつもそうなるとは限らない) (3)作品を言語情報にした変換する時にこじつけにしろ 、 何らかの形で表すことができる。 (4)ただし、個人によってその情報は大きく異なる。 高尾ら ( 2012 ) 1) 、 新山ら( 2014 ) 2) など多くの事例や先行研究があります。コミュニケーションの面白さや重要性などインプロを実践することで認識され

クリッカーの使用

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被服管理学という授業を担当していますが、昨年から授業の進め方を大幅に変更しました。現在はこちらが話す時間は60~70分程度として、残りの時間を問題を出題し、学生解かしています。問いかけは例えば浴比や潜在濃度を変えると洗浄効率はどのようになるのか?です。そこに今年はクリッカー機能をつかいながら授業を進めています。昨年は少しだけでしたが、今年は大幅にクリッカーの使用する時間を増やしました。  クリッカーの機能として先行研究や活用事例として数多く報告されているが、 鈴木先生ら (2008) (1) や 田島先生 (2015) (2 ) など示しているように①「学生のバックグランド把握」②「学生に最適な授業ペースの把握」③「予習や宿題のチェック」④「理解度の自己把握」が挙げられる。今回授業の1回目で学生のバックグランド(例えば理系か文系なのか、化学が得意なのか等)などを聞き、①の学生のバックグランドの把握を行った。学生は高校時代は文系だった学生が多い印象があり、自然科学系の科目はあまり得意でないという意識が強いと感じていたためである。  その結果、70%の回答者が文系と回答した。(図1参照)また、化学はあまり得意でない、全く得意でないと回答した回答者が70%を超えていた。10週目に授業外学習時間に聞いたところ、約60%の回答者が少し勉強していることがわかり、ほとんど勉強していない学生もかなりの数に上ることが分かった。次に講義内容について理解できているのか質問したところ、約24%の回答者があまり理解できていないと回答している。                  図1 学習者の背景  これを詳しく見ていくと学習内容を理解していると回答している学生は、教室外で一定の時間勉強をしていると回答した学生が大半を占めている。教室外での学習の重要性がうかがい知ることができる。授業外での予習や復習などの学習時間に着目した研究 ( 3) では、授業外に勉強している学生の方が深い学びが実践できるという報告がある。ここから私の授業を受けている学生について言えば、文系学生が自然科学系科目を学習する際には授業外時間の学習すなわち予習や復習あるいは宿題などの時間が重要になると考えられる。  これをベースに発展させるアイデアも少し浮かんできました。時間との兼ね合いですが、ペーパーに

WBSからスケジュールへ

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教科書に掲載されているケーススタディを用いて、グループワークでWBSからスケジュールを作ってもらった。 WBSの階層構造を作成するのは難しいようで、PMBOKに従って、レベル4の活動(アクティビティ)まで落とすのは、容易ではないように感じた。 また、「モノ」よりも「コト」を構造化することは難しい。加えて、活動レベルでどのような活動が必要になるのか、これまで経験したことないことを考えてもらったので、難しいと感じた学生は多かった。それでも一人で考えるよりもグループワークでお互いの補完することで量も質も改善されるようには感じた。 作成したWBSを6月2週目の授業ではスケジュールにした。具体的なガントチャートまで線引きまではできなかったので、活動の順序付けのみになった。後日、ローリングウェブ計画法の説明をして、後工程は活動を定義をかなずしも当初の計画で行う必要がないこと。ただ、マイルストーンはきちんと示しておく必要があることは説明した。 机間巡視し、テーブル毎に補足で説明したりしながら、まず順序を考え、付箋紙に活動順に作成するように指示した。授業後半10分でfuポータルの意見交換を使って振り返りを行った。これをテキストデータにしてテキストマイニング を使ってネットワーク分析をした。テキストマイニング は少しづつ勉強始めたところであるけれど、今回の振り返りで頻出する単語として「スケジュール作成」と「難しい」の2つだった。 スケジュール作成は、活動の所要時間の見積りのプロセスも入れなければいけないが、今回は入れずに作成した。スケジューリングする題材は、もう少し身近なものにするともっとわかりやすいと考える。 以下、感じたこととして3点が挙げられる。 (1)汎用的なやさしい題材とより専門的で難しい題材を組合せることで、スケジュール作成手法を取得する。 (2)上記2つの比較から専門知識の知識が取得が重要であることを認識する。一方で方法論として、ツールとしてここから感じる使いやすさや便利さってなにを体感し、かつ省察から感じさせる必要がある。 (3)(前提条件として授業毎の学習目標や全体のルーブリックなどを使って目標設定は重要になる。)テキストマイニング が容易にできるような方法で振り返りを行い、分析を行う。教育効果の想定から学習のデザインを行った上で

SAC-MESS 2019に参加しました。

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1ヶ月ほど前ですが、  SAC-MESS2019  という国際会議に参加するため、マレーシアのKLに久し振りに出張しました。 SAC-MESSでは口頭発表するためでしたが、参加するにあたり、事前にフルペーパーを書く必要がありました。知り合いもいなかったのですが、ここで書いたペーパーがジャーナルに載っていくということだったので、チャレンジしてみようと考えていました。 論文ネタは去年福岡であった ISPIM に提出しようと思った「再生可能エネルギー」をテーマとしたものが、業務が多忙になり、結局、断念したものでした。SAC-MESSで改めて書き直して完成させるつもりで書き始めました。ISPIM用のペーパーですでに2,000words程度書いていたので、構成は少し変えました。ISPIMを書き始めた段階で、UMPのユディー先生と話しでも、コンセプトペーパーとしてまとめることして、考え始めました。データ収集がなかなかできていなかったこと、仮説の構築がまだまだということがあったためです。 ともかく1ヶ月前に何とか完成しました。最終的には単著で5,600wordsで文献調査から仮説の構築まで何とかやり終えました。 事前に主催者から発表要綱が送られ、6スライド、発表7分以内ということで、これまでは発表15分、質疑応答が5分だったので時間配分は半分、ProMAC等で書いた ペーパー は4,000wordsだったので、この発表、結構は難しいとは思いました。 会場はマレーシアの大学でもベスト3に入る UTM(マレーシア工科大学) で主催者はUTMの先生、パキスタンの大学の先生と Scientia Academia という企業。発表者はマレーシア、パキスタンだけでなく、中国、タイ、インドネシアなどいろいろな国から参加していました。日本から私のみ。マレーシア🇲🇾なので OUM の学びやインドネシア🇮🇩での 仕事の経験 もあり、緊張するかといえば、あまりなかったです。 発表は5分で一度ベルがなり、7分で2回目なのですが、5分まで長く感じ、5分から7分まですごく短かったように感じました。毎回ですがスライドを用意すれば、発表の原稿は作っていないし、様子見ながら微調整するのですが、やはり7分は短いです。次回、短時間の発表であれば準備の仕方変えないといけないとは思いました

福岡大学での講義メモ (5/10)

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福岡大学商学部での開発管理論の講義記録(5月10日) GW明けての講義でした。講義の構成として以下の通り ・ Clica を使って小テスト、こちらはだんだん使い方が慣れてきた。 ・前回したステークホルダーの話をサラッとしてしたあと、各自に白紙を1枚渡して、「 スマホゲームを開発する時にどのような関係者がいるのかできるだけ多く挙げる 」まず各自で5分づつできるだけ多く挙げるように指示を出し、その後隣同士で話をするように次の指示を出した。どうしても周りと喋らない学生もいるので机間巡視をして、意見交換をしていない学生がいないかチェックする。 意外に早くできたので、次の設問は 上で挙げた「 関係者(ステークホルダー)はどのような影響を受けるのか考えなさい。まず、プラスもしくはマイナスの影響を与える。影響度の度合い(大中小)及び関係者の数(多いから少ない) 」 についても考えなさい。 学生がここで書いた内容については特に触れなかったが、まず複数で話せばお互い気づいてないことが書き出せることを挙げる学生がいた。 最初のリストアップやステークホルダーのリストアップやマトリックスの作成はPMBOKやISOではインプット、ツールと技法、アウトプットと書かれており、理解が難しいので、抽象的から学生自らやったことを考え、例えばリストアップはブレストの用法など使っており、PMBOKではツールと技法でデータ収集でもブレーンストーミングが含まれており、暗黙知的に実施していることをPMBOK的にどのような活動をしているのかという具体的な事例として、使用した。 後半はプロジェクト憲章について触れた。プロジェクト憲章はたいそうな名前なので企画書と考えるように説明し、QCDと併せて説明した。 企画書って何のために作るのか?そのためにどんな情報を盛り込まなくてはいけないのか?PMBOKにはいろいろ書かれているけどQCDとの関連性を説明した。。 バイト先で何か企画を考えるとか具体的に想像すれば、その答えも出てくると思われる。 追記 大学のLSMも徐々に勉強しつつ、こちらもスレッドを立ち上げてみました。書き込んだら加点すると言ったら、2名の学生が書き込みをしてくれました。まだまだこちらの勉強は続きますが、Clicaのコメントは何でも良いから書き込んでと発言しました。

2018年を振り返って

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2018 年も残すところもう少しです。この 1 年を振り返ってみました。 3 月は PM 学会春季大会 での口頭発表がありました。いろいろ最初はあまり考えていなかったのですが、テーマをプロジェクトマネジメント( PM )教育について絞り、予稿としてまとめました。この過程で共同でやっていただける先生にもいろいろ話をしながら、新しい展開が見えてきたように思いました。 発表の後、簡単ですが、研究計画のようなものを作って、方向性や最終的なまとめとして論文投稿にどうつなげるのか考えています。 3 月は「第2回教育改革推進フォーラム」を実施しましたが、昨年に引き続き、実行委員長になりました。プログラム作りから実施、最終の報告まで行いました。昨年と違って発表はせず、司会とかパネルディスカッションの進行くらいでした。テーマはごった煮のようなところもありますが、プログラムは少しづつ変えて行く方が良いのかなと思いました。限られた時間をどう使っていくのかだと思います。去年もやったクリッカーの使い方は発表された先生のお話を聞いてなるほど使えないことないなあと思い、 4 月以降の授業で取り入れたりしています。 5 月にはお台場の産総研まで行き、ずっと所属はしているものの、活動やいろんなことができていないエネルギー関係の研究会に参加しました。プロジェクトマネジメント 学会等でお話しさせてもらう先生方とまた違う分野だったので、刺激になりました。エネルギーミックスとか、この辺りは前職での業務に関係するところもありますが、基本的にエネルギーの話は好きって再認識しました。 8 月は 2 つの口頭発表がありました。 ① 私立大学情報教育協会での ICT 利用による教育改善研究 、 ② 日本工学教育協会での年次大会 です。 ② は 3 月の PM 教育に関する続編で、文献調査から作成した計画などを発表しました。 P BL の実践前の PM 教育の必要性などですが、先行研究を探すも、あまり関連した先行研究はない上、 PBL の実践をされている先生に聞いても今後の教育研究ネタとして示唆をもらいました。 秋学期が始まり、担当する演習科目のうち一つはワークブックを初めて作り、運用しています。講義系の科目も進め方を少しづつ変えていますが、もしかしたら書籍がかけるので