New Education Expo 2017 in 大阪 (6月16日)

 6月16日、17日に開催されているNew Education Expo 2017へ行ってきました。今回、教育工学会の案内を見て17日に参加しようと思っていたものの、16日にもイベントがあったので、セミナーを16日と17日それぞれ2つ選び行ってきました。16日は学修成果のデータ活用~ラーニング・アナリティクスならびに大学経営・運営の観点から~事例で考えるアクティブ・ラーニングの2つのセミナー参加してきました。    



  最初は京都大学緒方先生、明治学院大学伊藤先生の先生方が登壇し、ラーニング・アナリティクスと学修成果の可視化についてのご講演でした。実を言えば論文書いたり、助成金の申請する前にいろいろ考えているのですが、最近で自分の中でカリキュラムは誰のために作られているのか?それについて考えています。カリキュラムは当然学生のために、こんなことを学んでほしいと思いを込めて考えた上で作成しています。しかし、本当に学生の立場に立って考えられているのかどうか容易にを答えることはできないです。例えば、クラスの中に学力差が大きい時はどこに合わせるのか。また、学生のやりたいことだけやれば良いのか。突き放すことも時には必要だとか。普段から学びというサービスをどのように提供するのか考えています。成果という点では単に報告書や成績だけなのか。またプロセスや成果の可視化といっても誰にとっての可視化なのでしょうか。

 最近IOTなども含め、ビッグデータについて話題になりますが、データ自体は多くのデータが収集されています。そのデータを活用するためには分析が必要になります。しかしそのデータが分析する際、構造化されたデータがシーンの活動を促進する視点(サービスデザイン的な視点)で分析がなされていないのではないかということが課題であると伊藤先生が問題提起をされていました。
 私自身も学習ログを取るけど、どう可視化すれば良いのか、学習者の立場にとって、大学にとって、学生を採用する企業にとって視点が異なるのではないということをここ半年ほどずっと考えています。


 また、伊藤先生がおっしゃられていた文科省で言われている3ポリシー(アドミッション、カリキュラム、ディプロマ)を連動することは入試広報、教員、キャリアサポートが連携を図ること。まさにその通りだと思うものの、現場にいると十分実践できていないと感じます。

 学習ログの可視化や3ポリシーにしろ、キャリア教育であり、出口部分で考えれば、秋色になります。企業が求める学生の素養として「コミュニケーション能力」や「主体性」が重要になります。そのため、学生時代に求められることは「目標設定とアクション」、「他者との相違点の理解」が促進されるような活動が重要になります。ここでは結果ではなくてプロセス重視であり、プロセスの中でいかに主体的に行動できるのか、グループワークでは他者との関わりからどのように振る舞うと良いのかなども考え、行動する必要がでてくる。    
  就職した後4つのグループに分類し、活性化G、多転職苦闘G会社ぶら下がりGフリーターGの4つに分類し、卒業後、在学時、高校在学時の3つのフェーズから性格や学習行動と成績、授業外学習時間との関連性、学生時代に努力した活動とモチベーションや勤務時間との関連性について着目し、データ収集と分析を行った結果、上記のグループで偏差値が高い大学出身者が必ずしもの割合が高いとは言い切れず、偏差値が低い大学出身者の方がの割合が高いという結果がでている。これは偏差値に偏重した事項よりも大学での学びがより重要になっていると言える。すなわち大学で成長するのかは大学の偏差値で一義的に決まるとは言えない。私たちがどのような教育の場を与えるのが重要になると言える。

 今回のご講演を聞いて感じたことは学修成果を可視化することはキャリア教育に繋がっていくことであるが、日頃からアクティブ・ラーニングを上手に実践できたとしても、学習者のモチベーションが低ければ、必ずしも成果が上がらないということを日々の実践の中で感じます。学習者自身のこれまでの経験、モチベーションは学生間で異なるため一律的なアプローチでは学修効果があまり期待できないと思うと感じるたために、いろいろな先生の話をなるべく聞きにいき、どうすれば良いのか考えていますが、今回の話でも頭の中で整理もできました。

 2つのセミナーは大商大の高橋先生,小樽商科大の大津先生、同志社中高の丹田先生の事例紹介。大商大の事例では初年次にゼミでの勉強ではアクティブ・ラーニングで実践するためにあらかじめマニュアルを作成し、そのマニュアルに基づき実践していくとのこと。なるほどと思いました。大津先生の発表内容ではTAなしで大規模教室でのアクティブ・ラーニングの推進、クリッカーなどを使ってグループワークを推進していくことです。こちらの話も実際に自分自身の授業での応用が可能かなということを考えていました。また方法論だけでなく専門性という観点から参考になる点もありました。また、学修でのAIの利用についてもこれから考えないといけないのかと2つのセッションでは感じました。授業でできそうなことも思いついたので、もう一度練り直して試していきたいと考えています。





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